前回の記事で、アトピーの対策には生活習慣が大切だとお伝えしました。
(前回の記事はコチラ)
その中でも食生活は切っても切れない程重要です。
今日は、アトピーにおける食事療法について重要なことをお伝えします。
◾️アトピーを緩和する食事の原則
アトピーを緩和させるには、いくつかの方法があります。
1. 砂糖を控える
2. 使う油に注意
3. 小麦を控える
4. 乳製品を取らない
5. 一日の食事量を減らす
これらには同じ目的があります。
それは、腸内環境の正常化です。
腸内環境を整える事で、まずは免疫力が上がります。
免疫力とは、体が病気にならないように守ってくれるものであり、私達人間が生活するには欠かせないものです。
アトピーだけでなく、老化にも大きく関わりがありますので、免疫力を高める生活を送ることが大切です。
次に、内臓を休める事により本来持ってる機能を正常化させる効果があります。
つい100年程前まで、日本人は1日2食とされていました。
それが、高度経済成長を経て生活が豊かになり、1日3食が当たり前となりました。
この事から、今の日本は食べすぎる傾向にあります。
本来人間は、飢えに耐えられる体となっています。
血圧や血糖など、分泌されているホルモンの中で、代謝を高めるホルモンは数多く存在しますが、これらを値を下げるホルモンの数は各一つ程しかありません。
これは、食べる物が少なくても耐えられる体とされているからです。
しかし、飽食の時代と言われている今、
このように値を下げるホルモンの数が少ない為に、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の患者が増加傾向にあります。
勿論、アトピーも同じです。
高くなった血糖や血圧を下げ、次から次へと運ばれる食物を消化する為、我々の体の中は疲弊状態になっています。
そうすると本来の機能を果たせなくなり、腸内環境も乱れ、アトピーを始めとした様々な病気にかかります。
そんな健康に不可欠な腸内環境ですが、肌とはどのような関係があるのでしょうか。
まず、内臓の機能が低下すると消化器が炎症します。
そうすると悪玉菌増加の原因となる、腸内フローラが崩れてしまいます。
悪玉菌が増加すると、当然血管の流れも悪くなり、体の中の悪い物や余計な物が上手く排出出来なくなります。
それらが積み重なると、アトピーにかかります。
ですので、このような状態を作らないためにも5つの習慣を守る必要があります。
次に、各習慣についてもう少し細かく説明していきます。
1.砂糖を控える
砂糖の量が増えると、血中の糖の濃度が増えます。
糖を過剰に摂取すると、血液の巡りが悪くなるだけでなく、肌の新陳代謝が悪くなります。
アトピーは、何らかの要因で体内の余計な物が蓄積され、炎症が起こり発症します。
適度な糖質は必要ですが、通常の食生活を送っていれば足りなくなるということはまずありません。
そのため、過剰になってしまいがちな砂糖の量を調整する事が大切です。
2.使う油に注意
ラードやサラダ油などといった、動物性の油は、体の中に溜まりやすいとされています。
酸化した油が体内に蓄積されると、悪玉菌が増加します。
亜麻仁油、オリーブオイルなど、自然の油は体に溜まりにくい為、おススメです。
3.小麦を控える
これは小麦に含まれるグルテンという成分が関係しています。
グルテンは消化吸収がされにくく、また、体内からは異物として認識されアレルギーを引き起こす原因の一つとなります。
また、グルテンはアミノ酸配列が我々の脳や肝臓と言った内臓、骨と成分が似ていることも問題です。
なぜなら、先に書いたとおり、グルテンは人体にとってアレルゲンの一つです。
そのアレルゲンを排出するために我々の身体の中では抗体が生成されます。
そしてグルテンを排出するために作られた抗体は、アミノ酸配列が似ている人体を同時に攻撃し始めます。
最近では、品種改良により小麦は消化吸収がされにくくなっており、腸内に残り、悪玉菌の発生や腸内炎症を起こす要因になることもわかってきました。
そのため、食生活におけるアトピーケアとしては小麦の摂取は極力控える必要があります。
4.乳製品を取らない
健康の為にヨーグルトや牛乳を飲む方は多いと思います。しかし、我々日本人の約7割は、乳製品を分解する酵素を腸内に持っていません(乳糖不耐性症)。
そのため、便秘の人が乳製品を飲んで排便しやすくなった!というのは、お腹を下しているだけで、実は内環境が整っている訳ではなく、むしろ腸内を荒らし炎症さえ起こしてしまっています。
体内の免疫細胞の約7割は腸内に存在すると言われているので、消化吸収されない乳製品を摂取することは腸内環境を悪くし、アトピー性皮膚炎の悪化に繋がります。
よって、牛乳・ヨーグルトといった乳製品は控えるようにすることが懸命です。
5.一日の食事量を減らす
基本的に免疫系を正常に働かせるには腸内環境を整えることが大切です。
ここまでは摂取する成分についての注意を書いてきましたが、もっと注意しなければいけないこともあります。
それは『食事の量』です。
どれだけ、いい食生活を送っていても、器質的に摂取の量が適量を上回れば消化における内臓の負担は増え、腸内の炎症を助長します。
そのため、一日のうちで摂取する量を調整する必要があります。
そこで簡単にできる食事量の調整は『1食を抜くこと』です。
度のタイミングで抜くのがいいか?このようなことを書くとよく聞かれます。
私個人としては、どのタイミングでも構わないと考えていますが、一番効果を実感できるのは朝食を抜くことです。
朝食は寝て起きてから、摂取するまでの時間が非常に短いです。
よく『寝起きは頭がまわらない。』と言われますが、内臓もこれに当てはまり、寝起きには内臓機能もフルに働いてはいません。
そのため、寝て起きてから内臓が起きてくる昼までを充分に休ませ、そこから摂取し始めるのがいいと考えています。
また、朝食を取らないことで日中の血糖値が上がりすぎることがなくなり、急激な下降もなくなるのでなれてくればそれほど空腹を覚えなくなります。
とは言え、各々の生活スタイルもあるでしょうから、この辺りはご自身の生活に合わせて行うことが得策です(糖尿病などをお持ちの方は医師と相談のうえ行ってください。自己判断は危険です)。
◾️まとめ
アトピーと食生活はとても大切です。
薬だけの治療ですと、リスクも伴いますが、食事療法と合わせると、今よりも確実に健康になります。
今、アトピーではない方も、今回の記事をきっかけに今一度自分の食生活を見直してみて下さい。