高齢者に多い逆流性食道炎|60代から始める改善習慣

「最近、喉がつかえる感じがする」「食後に胸がムカムカする」
そんな違和感が続いている方へ──それは、逆流性食道炎が関係しているかもしれません。

特に60代以降の方は、加齢にともなって呼吸や消化に関わる筋力が弱まり、胃酸が逆流しやすくなる傾向があります。

本記事では、高齢者に多い逆流性食道炎の原因と、ご自宅で簡単に実践できるセルフケア方法を3つご紹介します。

「年齢のせいだから仕方ない…」とあきらめる前に、ぜひ最後までご覧ください。

なぜ高齢者に逆流性食道炎が多いのか?

60代を過ぎると、筋力の低下は避けられません。
それは見た目の筋肉だけでなく、横隔膜や内臓を支える深層筋にも及びます。

その中でも特に重要なのが「横隔膜」。
横隔膜は呼吸に使われる筋肉ですが、胃と食道の境目を支える役割もあり、逆流性食道炎と深く関わっています。

  • 階段で息が上がりやすくなった
  • 食後に胸のあたりがムカムカする
  • 喉がつかえるような感覚がある

このような症状が出ている方は、横隔膜の機能低下が影響している可能性があります。加齢とともに横隔膜が弱くなると、胃酸の逆流を防ぎにくくなるのです。

横隔膜の働きが弱ると逆流が起こりやすくなる理由

横隔膜は、胃の上部と食道の接合部をサポートする重要な筋肉です。
健康な状態では、横隔膜の動きにより噴門(胃と食道の間)がしっかり締まり、胃酸の逆流を防いでいます。

しかし、横隔膜の筋力が衰えると、噴門の締まりがゆるくなり、食後に胃酸が食道へ逆流しやすくなります。

その結果、

  • 胸のあたりの圧迫感や違和感
  • 食後の不快感(ムカムカ)
  • 喉がヒリヒリする、飲み込みづらい

など、逆流性食道炎の症状が強く現れるようになります。

60代から始めたいセルフケア3選

高齢者の逆流性食道炎は、体の変化に合わせてアプローチすることが大切です。
とくに、横隔膜をしっかり動かし、呼吸を整えることが改善への第一歩となります。

当院では、以下のセルフケアをおすすめしています。

セルフケア①:深くゆったりした呼吸を習慣に

呼吸が浅くなると、横隔膜は十分に動かなくなります。
以下のような深呼吸を1日3セットほど取り入れてみましょう。

  1. 鼻から5秒かけて吸う
  2. 口から8秒かけてゆっくり吐く
  3. お腹に手をあてて、腹部が膨らんでいるか確認

この深い呼吸は、自律神経を整え、ストレスによる胃の不調もやわらげてくれます。

セルフケア②:横隔膜を刺激する呼吸ストレッチ

肋骨の下に優しく刺激を加えることで、横隔膜を動かしやすくします。

  1. 両手を肋骨の下にそえて軽く押す
  2. 息を吐きながら、体を少し前に倒し指を肋骨に沿って押し込む
  3. 吸いながら体を起こし、指を押し返すように呼吸する

この動きによって、横隔膜の筋肉が刺激され、呼吸がより深くなっていきます。

ポイント:胸郭の柔軟性アップで呼吸力改善

胸郭(肋骨まわりの関節)の柔軟性が高まると、呼吸がスムーズになり、結果的に横隔膜の働きも良くなります。

詳しい解説は、以下の動画でご覧いただけます:

継続が改善のカギです

逆流性食道炎の改善には、継続的な取り組みが必要です。
特に高齢の方ほど、体の反応には時間がかかることを意識しましょう。

最初は、深呼吸をするだけでも「息苦しい」「やりにくい」と感じるかもしれません。
しかし、続けていくうちに、横隔膜がしっかり働くようになり、少しずつ症状がやわらいでいきます。

自分での改善が難しいと感じたら

2週間以上セルフケアを続けても変化を感じにくい場合は、
姿勢のゆがみや自律神経の乱れ、生活習慣などが関係している可能性があります。

当院では、

  • 呼吸しやすい体づくりをサポートする整体
  • 横隔膜と胸郭へのやさしい施術
  • 高齢の方でも安心して受けられるケア

をご提供し、逆流性食道炎の根本改善をお手伝いしています。

▶ 詳しくはこちら:
逆流性食道炎ページ

まとめ

  • 高齢者の逆流性食道炎は、横隔膜の筋力低下や呼吸の浅さが原因になることが多い
  • 喉の違和感、胸のムカムカ、食後のつかえ感がある場合は注意
  • 深呼吸・呼吸ストレッチ・胸郭の柔軟性改善が有効
  • 無理なく続け、難しければ専門家に相談を

60代からでも始められます。呼吸と体のバランスを整え、胃腸の不調を改善していきましょう。

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