《症例報告》陸上選手 二ヶ月前から取れない太ももの痛み《改善例》

14歳 女性 陸上部所属中学3年生(府大会1位) 大阪市阿倍野区

主訴|前屈すると痛む左太もも裏の痛み

全力で走れない・前屈すると痛む左太もも裏の痛み

二ヶ月前に記録会にて左太もも後面(ハムストリングス上部)を痛める。
改善するために近くのカイロプラクティック・整骨院を訪れマッサージ・骨盤矯正をするも一向に改善せず。
筋肉の硬さからかと自分で判断し、ケアのために練習後のストレッチを行うも悪化する一方。
記録会まで半月もなく、また強化合宿への参加も視野に入れている。
母親の友人に自分の甥がどこに行っても治らない頭痛を改善してもらったという話を聞き、当整体院にコンタクト。
来院に至る。

検査|痛み回避のため左骨盤が上方へ変異

頸部可動域検査 特に異常なし。

骨盤位置の検査 痛み回避のため左骨盤が上方へ変異

胸椎・脊柱検査 体感の右前方回旋を認める。

筋膜テスト 左アキレス腱部に強度の緊張を認める。また、筋損傷部周囲の筋膜の強いねじれあり。

内臓検査 肺と胃に疲労蓄積

圧痛部検査 左ハムストリング上部に微細な筋の断裂を認める

疼痛誘発テスト 立位にて体感前屈時に圧痛部に痛みが強く出る。

全身状態

普段から自己にてセルフケアを行っており、全身状態は良好。

しかしながら試合と合宿の期日があるためメンタル面での焦りあり。

施術

初回

検査より、左ハムストリング上部の肉離れと判断。

試合までの時間がないため、時間のかかる根本治療よりも試合に出られるコンディションを優先するため結果の早く出る表在治療を行う必要性を説明。
試合後から根本治療を行い約一ヶ月後の合宿に間に合わせるよう治療プランを立てる。

ハムストリング部・アキレス腱部の過緊張を解除、その後骨盤矯正
再度体感前屈時の痛みを確認
痛みが10→7へと低下

今回のアプローチが正しいのかを判断したいため、初回はここで終了。

練習は休む必要は無いが、痛みが誘発される練習(100%の力でのダッシュを痛みが出ない程度の力量に変えて行うこと)を制限をかけるよう指導。

また、肉離れ時にストレッチは逆効果であることを説明しストレッチの禁止を伝える。

二回目(1日後)

『痛みが元に戻っている。』と報告を受ける。
想定の範囲であったため問題ないことを伝える。
この時点で痛みを誘発している原因はすでにハムストリングスにはないと考える。
次に体幹のバランスを最も崩しているであろう胸椎部にアプローチ。
再度綿密な検査を行うと右第5肋骨が一本だけ下方に回旋しているのを認める。
胸部を触る必要があるため、本人に同意を得ることと同時に女性スタッフ同行のもと調整を施行。

その後、再度誘発動作である体前屈を行ってもらい痛みを確認。
この時点で痛みが消失する。

二回目はここで終了。

自宅で寝る際は体幹のねじれ肋骨の変異を防ぐため、横向けでの睡眠を禁止する。

三回目(6日後)

痛みほとんど消失。
『全然痛くない!』と喜んでいる。
付き添いの祖父も効果に驚いている。

前回と同様の施術を施行。
また、痛みの取れ方が良好だったため根本治療(肺調整)を行う。

この時点で痛み完全に消失。

確認のため、一週間後の来院を指導し終了とする。

解説|損傷を起こし慢性化したことが痛みの原因

基本的に痛みの原因は損傷を起こし、時間の経過とともに(慢性化)変異していきます。
これは痛みを起こした際、脳が痛みから逃れる回避行動を体内で起こすためです。
こうなると、損傷部が改善しているにもかかわらず脳は痛みがあるものと勘違いを起こします。
結果として痛みの原因は別部分に点在してしまうのです(今回の場合は肋骨の歪み。)

今回の症例は年齢も若く、慢性化して時間経過が比較的軽度だったため回復も早期に見られました。
これなら試合や合宿にも全力を出して挑めることでしょう。

このように痛みの原因は長期化すると原因が変異することがあります。
もしこれをご覧のあなたが、試合直前で痛みを抱えていて全力を出せない…という不安があるなら、是非当整体院の門を叩いてみてください。

その痛み、意外となんとかなるもんですよ。

この記事を書いた人

京都市_コバヤシ整骨院・鍼灸院

【京都市のコバヤシ接骨院・鍼灸院院長】柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有者。ジオン療法セラピスト。総合格闘技道場GROUNDCOREのトレーナー、プロ柔術MATSURI、アマチュア格闘技イベントレグナムジャムのリングドクターも経験。スタッフのほとんどが京都人という、地域密着型治療院として健康を守っています。