左手のシビレが頚椎になかったケース


65歳 男性 シルバー人材センター 京都市東山区 

 

主訴 左腕〜背中のしびれ

 左腕

概要 

来院3週間前、自動車を運転中に突然左上腕部に痛みが発症。その痛みが徐々に広がり、左背中〜左腕全体にかけて痛みを感じるようになった。身体を動かすと痛みが増悪する。特に、自転車のハンドルを握ることが、痛みに加え、力も入り辛くなるため不安を覚える。また、指先全体にもチリチリしたしびれを感じる。

痛みが出始めて1週間後、整形外科を受診。レントゲン撮影にて頚椎(C5-6)の骨棘が原因との診断を受ける。週3回、電気治療および牽引を2週間続けたが、変化がみられず、ネットで当治療院を知り来院する。

 

検査

頚部 頚椎症特有の首を後ろにそらす動きで痛み・しびれの増悪はみられない
左 肩関節外転で関節可動域の制限、ひっかかりを認める
左 前腕伸筋群の筋緊張が強い
胸椎〜上部腰椎に比べ、下部腰椎に硬さがみられる
頸部~左肩の筋肉に強い緊張を認める。

 

施術

初回

検査より、頚椎症としびれ痛みは関連のないものと判断。
問題には頸部と左肩の筋肉にあるものと考える。
筋肉の緊張を取る目的で、全身の筋膜の調整を行う。
施術後、首を後ろにそらす動きおよび肩関節のひっかかり・可動域が改善。

初回はここで終了。

2回目(初回より4日後)

背中(特に肩甲骨)の重たさがとれたと喜んでいる。
左手のしびれは残存している。
良好な効果がみられたため、前回と同様、筋膜の調整を行う。
さらに、左前腕の血流改善の目的で筋肉に対し鍼施術を施行する。

 3回目(初回より7日後)

前回と同様、筋膜の調整と鍼を行う。
また、前鋸筋・棘下筋・棘上筋それぞれ緊張が強く見られたため調整する。

4回目(初回より12日後)

自転車にのった姿勢でも増悪はなかったとお喜び。 
前回と同様の内容に加え、広背筋を調整。

 5回目(初回より17日後)

この時点で痛みの度合いが10→1へ大幅に減少する
しびれの範囲が初期は左の背中〜前腕に見られた範囲が指先のみになる。 
引き続き、前回と同様の内容で施術を行う

6回目(初回より24日後)

痛み消失 しびれもほぼ感じないまでに大幅に改善。
引き続き、前回と同様の内容で施術を行う。

7回目(初回より35日後)

治療間隔を空けても増悪はなく、痛み消失・しびれもほぼ見られない。
本人も満足しており、良好な結果が得られたため、今回で施術終了とする。

 

解説

なぜ、左腕のしびれの原因は頚椎症になかったのか?
手のしびれ・痛みの多くは経験上、頚椎症が原因になっている例は少ないです。

しびれ

今回の腕の痛み・しびれの原因は、頚椎症にはありませんでした。

ケースにもよりますが過去の臨床経験より、頚椎症由来のしびれや腕の痛みの場合、その多くが強い筋肉の萎縮を認めます。

例えば、腕があがらない、ものが握れない、筋肉が緩んでいる、など素人目にも『異常だ。』と思うような状態になることが多いです。
また、このような場合、施術によって改善を認めることがありません。

ではどこが手のしびれの問題になっていたのか?

頚肩部~肩甲骨の筋肉の緊張によるものです。

 神経や血管は筋肉の間を通って走っているため、筋肉が硬くなるとそれだけでしびれを起こします。

イメージしやすくするなら、長時間の正座による足のしびれです。

 

あの姿勢は、膝を折りたたんで体重をかけることによって足の甲の神経や血管を圧迫します。

筋肉が固くなってしびれが出るのもこの状態と考え方は同じです。

 今回のケースは自転車走行などで首が前傾した姿勢が続いたことにより、首・肩・肩甲骨まわりの筋肉が持続的に固くなり、腋の下から腕に向かって走る神経を圧迫して起こったものと考えられます。

 正座による足のしびれが、正座をやめれば開放されるように筋肉が固くなったしびれも原因を取り除けば同じように改善します。

よって、今回の手のしびれは頚椎症に原因はなかったのです。

 

総括

当治療院にしびれを訴えてこられる方の多くがレントゲンにて『頚椎症』『関節がせばまって神経を圧迫している』という診断を受けて来院されます。

しかし、今回のように頚椎症が原因でない可能性も多分にあることも知っておくといいと思います。

 

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