年齢43歳 性別男性 職業 営業 所在地 京都府宇治市
主訴 背中と首の痛み
概要 慢性的な背中と首の痛みに悩んでいた。マッサージをすればその場は改善するものの寝て起きると症状がひどくなる。時に頭痛が起こることもある。
検査|左の背中に強度の緊張
座位での姿勢の乱れあるものの、首に強固な硬さはない。
左の背中に強度の緊張がある。
食生活が乱れがあり、外食が多い。
本人に自覚はなかったものの、質問すると胸焼けや逆流の反応があった様子。
胃・消化器系のツボ・反応点を探ると強い痛みがある。
腹部の触診を行うと、横隔膜の強い硬さを認める。
施術
一ヶ月目(週に一回ペース)
逆流性食道炎による内臓反射が原因と判断。
寝不足による回復過程の遅れが見られたため、頚椎と骨盤を触れる程度の力で調整。
その後、脈を見ながら胃の反応点を鍼灸治療施行。
最後に逆流性食道炎による胃液逆流の原因の要因になる横隔膜の調整を行い、横隔膜のズレを矯正。
日常では逆流性食道炎を助長する、油もの、小麦、糖分のとり過ぎを控えること。
よく噛んでものを食べること。
食後二時間は胃液の逆流を避けるため横にならないこと。
就寝時は背中に10°程度の傾斜を加えるよう指示。
食生活に気をつけた途端に背中の張りがどんどん消えていくことを自覚する。
このことより、やはり原因は逆流性食道炎が関与していたと確信する。
二ヶ月目(2週間に一回のペース)
背中のはり、首の痛みがほとんど感じられなくなる。
また食生活の改善に伴い、普段から感じていた疲労感が改善していく。
加えて、一ヶ月前よりも体重の減少が見られ身体がほっそりとしてきた。
『やっぱり食事って大事なんですね。』と感心する。
一ヶ月目同様の逆流性食道炎專門の施術を継続。
引き続いて前月に指導した注意事項を遵守してもらう。
三ヶ月目(月に一回のペース)
当治療院の卒業認定を行うための確認施術。
胸焼けや胃部不快感などの逆流性食道炎特有の症状は落ち着いている。
今では食べたかった味の濃いものを適度に食べても背中の痛みが見られないため、卒業認定をする。
恐らく、ここからは食生活に気を付けていけば症状は出ないでしょう。
※別症状での来院あるため月一回のケア施術は行うものとする。
解説|意外と自覚していない逆流性食道炎による身体の症状
意外と自覚していない逆流性食道炎による身体の症状
当治療院には『逆流性食道炎をなおしてほしい』といった直接の来院は少ないです。
どちらかというと『慢性的に背中が痛い』『ずっと肩がこっている』というように逆流性食道炎が原発になっての二次的症状での来院が多いです。
そういったケースの方々の話をよくよく確認していくと、殆どが食生活の乱れや過食が見られます。
これを見ている方で以下を見て『あ!これ自分のことだ』と思う方は要注意です。
- 早食いである。よく噛んで食べない。
- 食べてすぐ横になる(1時間以内)。食べてすぐでも身体の左を下にして寝れば大丈夫と思っている。
- 外食が多い。
- お腹がいっぱいになっても、気持ちの上で満たされずチョコレートなどを食べすぎてしまう。
- 朝の起き抜けに胸や喉の違和感がある。
- えづく事が多い。
- げっぷがよく出る。
一つでも当てはまる方はその背中の痛みが逆流性食道炎による可能性があります。
このような方は
- 口に物をいれたら10回は最低でも噛む。ゆっくり食べる。
- 食べた後、横になりたい気持ちをぐっと我慢して椅子に背筋を伸ばして座る。帰りが遅くてそんな時間がないという人はご飯を食べない。もしくはおかゆと汁物程度にする。
- 外食を控える。
- 間食をしない。
- 就寝時は胃液の逆流を防ぐために、座布団などを背中に入れ上半身を起こす。
こんな取り組みをしてください。
これだけで身体が変わってくることもあるでしょう。
まあ、偉そうに書いてますが、私自身が逆流性食道炎の経験者で自分がこういった取り組みを行って症状を改善できたので実体験を元にしています。
総括
最近の食生活は昔と違い『生きるため』ではなく『嗜好品』的な側面が強いように感じますね。
いかに美味しいもの・すきなものを食べるか・・・ということに着眼がおかれています。
これは本来の食事の目的から外れているように私は思います。
このように過ぎたものが身体に害を及ぼすことはガンや病気なら想像がつきますが、肩こりや背中の張りなどからは思考的にリンクしない部分があります。
ですからこういった事実が浸透していけば、肩こり・首痛や背中の張りに悩む人が少なくなるでしょう。
何年も改善しない首痛・肩こり・背中の張りで悩んでいる方へ。
この記事を書いた人
【京都市のコバヤシ接骨院・鍼灸院院長】柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有者。ジオン療法セラピスト。総合格闘技道場GROUNDCOREのトレーナー、プロ柔術MATSURI、アマチュア格闘技イベントレグナムジャムのリングドクターも経験。スタッフのほとんどが京都人という、地域密着型治療院として健康を守っています。