35歳 女性 主婦 京都市西京区
主訴 頭痛 めまい
5年前より月に数回、頭がガンガンとした痛みがあり、割れそうになるほどの頭痛が起こっている。
頭痛が起こる直前は肩〜首・顎にかけて固まってくるようなこりを感じ、頭痛が起こると寝込んでしまうほど強い痛みがある。
痛み止め・頭痛薬は服用しても思ったほどの効果は得られていない様子。
来院8日前に京都に引っ越し。
引越当日は徹夜をし、その翌日からめまいが起こり始める。
本人曰く、雲の上を歩いていいるようなふわふわした状態で長時間立っていられない状態が1日中続いている。
めまいが起こりだした頃より、昼から夜にかけて頭痛も連日起こるようになる。
引越の片付けや家事もままならず、なんとかしたい思いから来院に至る。
検査|顎関節周辺・頚部・肩背部の筋緊張
顎関節周辺(咀嚼筋)・頚部・肩背部(板状筋・僧帽筋・肩甲挙筋)の筋緊張。
頭蓋骨の縫合部の緊張あり。
肋椎関節の可動性の低下を認める。
後頭環軸関節の緊張あり。
こめかみを中心に頭全体にズキズキとした頭痛の訴えあり。
施術
1回目
検査結果より、ストレス性の偏頭痛とそれに伴うめまいと判断。脳圧の正常化を目的に硬膜の緊張を解除する施術を行う。
体液循環の恒常性を高めるために肩・股関節の他動運動を加え、頭蓋骨の縫合部の緊張が緩和されたため初回はここで終了。
2回目(10日後)
家の都合により前回施術後から期間が空いてしまったが、前回施術後よりめまいは改善し、現在はほとんどない様子。
頭痛は週に3、4回、頭が割れそうなほどの痛みはまだあるとのこと。今回より頭痛に集中して施術を行っていく。
前回と同様の施術に加え、疲労回復のための鍼灸を行う。
3回目(7日後)
頭痛のペインスケール10→8
頭の割れそうなほどの激痛はなくなったが、こめかみから頭頂部にかけて重たさがある。
脳圧調整に加えて、顎関節の歪みの矯正を行った。
施術後に頚部の緊張緩和を認める。
4回目(7日後)
頭痛のペインスケール10→5
頭がボーっとするとの訴えあり。
5回目(7日後)
頭痛のペインスケール10→2
週に2,3回頭の重たいことがある。
ガンガン痛むことがなくなった。
6回目(23日後)
ペインスケール10→1
寝不足が続くと頭の重たい感覚があるが、休むとすぐ改善するようになってきたとこのこと。
頭痛で寝込むことや薬を飲むことがなくなって嬉しいとの喜びの声あり。
脳圧の亢進も認めず、経過は順調と思われる。
今回の結果を見れば、おそらくこの慢性的な頭痛は3〜4回程度でなくなることでしょう。
解説|脳圧って何?脳脊髄液って何?
脳圧って何?脳脊髄液って何?
答え
脳脊髄液→脳と脊髄の中を満たしている液体のことです。主に体の中の免疫系・脳の保護に関わります。
脳圧は、その液体の圧力を言います。
過去の臨床経験より、偏頭痛や群発性頭痛には多く脳脊髄液が関係しています。
これは、上述したように脳の保護をしたり、身体の免疫を一定化する働きを持った液体なのですが、この液体の流れが悪くなると頭のなか(頭蓋骨内)の圧力が上がってしまいます。
これが痛みの原因になるわけです。
そして、脳圧をあげる原因には、意外に感じるかもしれませんが精神的・肉体的なストレスが大きく関与します。
今回の場合は地元を離れ、引越しをしてきたと同時にめまいや頭痛が悪化しています。
環境の変化が大きく身体にストレスを与えそれに対抗しようとしたことが引き金になったのでしょう。
脳圧が上昇すると頭痛の他にも頭が重い、ボーっとする、目が疲れて重い、など諸々の症状を感じるようになります。
「急に頭痛がひどくなった」というような頭痛の場合でも今回のように生活環境の把握も含めた検査を行うことで原因を特定することができます。
もし、あなたが原因不明の急激な頭痛やめまいを感じているようなら、是非当整体院に相談してみてください。
意外な部分の意外な原因が見つかるかもしれません。
(担当:斗谷)
どこに行っても治らないストレスによる偏頭痛でお困りの方
この記事を書いた人
【京都市のコバヤシ接骨院・鍼灸院院長】柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有者。ジオン療法セラピスト。総合格闘技道場GROUNDCOREのトレーナー、プロ柔術MATSURI、アマチュア格闘技イベントレグナムジャムのリングドクターも経験。スタッフのほとんどが京都人という、地域密着型治療院として健康を守っています。