65歳 自営業 京都市東山区
主訴 歩くのも痛い左膝痛
概要|重量物を持ち歩き回ることが多く膝痛に
八百屋を一家で自営しており、日常で重量物を持ち歩き回ることが非常に多く、それが原因で膝痛を発症。
我慢し続けてきたのでいつからとはもう思い出せないほど。
最初は立ち上がりや階段の降りで痛みを出していたが、現在では歩いているのも辛いほど痛みが強くなる。
整形外科や近くの整骨院に通院するも変化が見られない。
どこにいっても『変形性膝関節症』『歳のせいだから』と言われ、本人もそれを受け入れている。
息子が当整体院に通院して数回で症状が改善したため紹介を受け来院に至る。
検査|膝関節の全方位に痛み
膝関節の内側・外側・前面・裏面と全方位に痛みがある。
特に内側と裏面に強い。
腫れが強い。
膝は立位のときのみしゃがみこんで曲げると痛む。
仰向け・うつ伏せで膝を曲げても痛みは見られない。
しゃがみ込む際、骨盤(臀部)が大きく右にそれていたため、骨盤を左に振るようにしゃがむよう指示すると痛みが見られない。
施術
初回〜一ヶ月目
骨盤の変位による関連性の膝痛と判断。
回復過程を促すため、頚椎と骨盤調整・鍼灸治療を施行。
週に1回〜2回のペースで来院する。
この時点で痛みの度合いが10段階のうち、5まで低下。
仕事中に歩いて痛くなるということがなくなる。(長時間労働が続いた際は痛む。)
二ヶ月目
痛みの度合いが10→3へ
結果が出ているため、前月と同様の施術を繰り返す。
歩行時の痛みはこの時点ではなくなるが、しゃがみこんだときの膝痛が残存する。
前月と同じ来院ペース。
三ヶ月目
痛みが10→1へ
『痛みがない生活が信じられない。』と感動している。
通院ペースは前月同様。
しかしながらしゃがみこんだときの膝痛・施術後には改善あるも翌日には維持ができず変化なし。
普段の仕事において多忙になっており、状態の変動も見られやすかった。
四ヶ月目
歩行時の痛みはないものの、膝の内側一点のみに痛みが残存。しゃがんだ際に見られる。
状態の安定が見られたため、施術方針を変更。
骨盤を強く引っ張る筋肉に対し長時間のはり治療を施行(痛みはなく本人は治療中に眠ってしまうほど)。
その後、骨盤調整行う。
しゃがみこんだときの膝痛が消失する。
5〜6ヶ月目
2週間に一回ペースでの来院。
来院ペースを落とした理由は自宅でゆっくりする時間を作り疲労回復に努めてほしかったため。
しゃがみこんだ際の痛みは時に見られる程度。
それも業務で動き回ることが多くなったときのみ見られるまでに改善。
今は全くストレスはないとのこと。
6ヶ月目の途中で施術は終了とする。
現在は逆流性食道炎の施術で通院中。
解説|なぜ、これほど改善に時間がかかったのか?
なぜ?これほど改善に時間がかかったのか?
→ご本人の生活習慣で変えられない部分があったから。
基本的に身体が治る過程には、回復過程が必要になります。
ところが生活習慣の中でやむなくこの回復過程が促進されない場合があります。
その原因の多くが、過労であったり、食べ過ぎであったり、ストレスであったりします。
こんな風に書くと『それ言い訳やろ?』という風に思われるかもしれません。
ただ、これをこんな風に考えてみてください。
過労がさなった、食べすぎてしまった、ストレスを毎日感じる。その結果、病気になった・・・更に無理を続けた結果、悪化・入院した。こういうことって昨今では聞き慣れた言葉ですよね?
膝痛を中心とした身体の痛みも同じです。
今回の場合は間違いなく過労・睡眠時間の不足(12時に寝て4時に起きる生活。)が身体の回復過程を遅らせていました。
しかしながら仕事のスタイルを変えるわけには行きません。
このような体内環境で如何に結果を出すか?
今回、回復までの時間が長引いたのはこういった状態でも膝痛に結果が出る体内の環境づくりに時間がかかったからです。
なぜ、最初から長時間のはり治療をしなかったのか?
→改善して行く順番があったから
文章だけみると、四ヶ月目で一番いい結果が出ています。『じゃあ、最初からそれやったら良かったんちゃう?』と思われるかもしれません。
が、答えは『NO』です。
そこまでに積み重ねてきた整体の効果があったからこそ、鍼灸が効果を出したのです。
恐らく、最初の時点でこのような治療をしていても膝痛に関して結果は出なかったでしょう。
総括
いつもは『●●回で改善しました!』のような記事が多いですが、このように状況によって、または症状によっては長引くことがあるのも事実です。
ただし、私は長期戦になることを予測していましたし、しっかりと説明していたので膝痛の方も安心して施術に臨めたと思います。
もし、これを読んでいるあなたが今受けている整体で結果が出ていない、これで大丈夫なのかな?と不安を感じたならその先生に一つ質問してみましょう。
『これってよくなってるんですか?』
この質問に対して自信を持って『大丈夫!』とか状態を説明してくれて『今はこういった段階です。』と答えてくれるなら信じていい先生だと思います。
そこでしどろもどろになる先生なら治療計画を改めてもらうか、通院を考え直したほうがいいかもしれませんね。
なかなか治らない膝の痛みに不安を感じたら・・・
この記事を書いた人
【京都市のコバヤシ接骨院・鍼灸院院長】柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有者。ジオン療法セラピスト。総合格闘技道場GROUNDCOREのトレーナー、プロ柔術MATSURI、アマチュア格闘技イベントレグナムジャムのリングドクターも経験。スタッフのほとんどが京都人という、地域密着型治療院として健康を守っています。