年齢55歳 性別女性 職業 事務職 所在地 京都市
主訴 どこかわからない右首のこり
概要|常に頭痛と首のコリと肩こりに悩む
記憶にないが、常に頭痛と首のコリと肩こりに悩んでいた。
近くの整骨院に行ってマッサージをしてもらっても、なかなかスッキリしない。
訴えによると『自分の伝えたいところと、触ってもらう場所が違う気がするが自分でもそれがどこかわからない・・・』とのこと。
あまりにも取れない首のこりに甲状腺やのどの関係のがんなのではと不安に思い始めている。
ネットで調べ、自分の首コリがどこが原因かはっきりさせたいという思いから来院。
検査|背中が曲がり、顎を前方に突き出したような姿勢
本人に首コリの部分を押さえてください。と伝えるも、どこかわからないとの返答あり。
背中が曲がっており、顎を前方に突き出したような姿勢になっている。
この姿勢より、首の後よりも前頸部の緊張が強いことが推測される。
施術
前頸部、特に胸鎖乳突筋の緊張によるものと判断。
『ここですか?』と胸鎖乳突筋をつまみ上げあると『痛いけどそれです!』との返答あり。
つまみあげると痛みが強いのではり治療を右胸鎖乳突筋にやさしく施行。
その後『すごくスッキリした。やっと言っていることが伝わってよかった。』と感謝される。
5回程度の鍼治療でマッサージでも取れなかった頑固な首こりの消失を認める。
治療ポイントがわかったため、定期的にアプローチしていけば首コリは当分出ないでしょう。
解説|なんで自分のこってる部分がわからないの?
なんで自分のこってる部分がわからないの?
自分の知識のない部分は表現の仕様がないからです。
なんかすっきりしない。自分の思っているところと、触ってもらっている部分が違う気がする。前首のこりを訴える方はこんな表現をされることが経験上多いです。
何故なら、多くの方が過去にこの筋肉を触ったことがないため、自分の知識の中に『首の前が固くなる。こる。』という感覚がないからです。
自分の知らないことは表現の仕様がありません。
ですから、自分でもどこが悪いかがわからないのだと推測します。
われわれ鍼灸師を見て『鍼灸師!』とは日本語では言えるでしょう。
じゃあ、それを英語で言えますか?
なかなかわからないと思います。
意味がわかるけど表現できない、イメージとしてはこんな感じではないでしょうか?
『胸鎖乳突筋』って?
胸鎖乳突筋は鎖骨から頭の骨にくっついています。
この筋肉が固くなると、コリの感覚はもちろんですが『吐き気』などの自律神経症状も伴います。
理由としてはこの筋肉の近くには『頸動脈』があり、胸鎖乳突筋の硬さで動脈を圧迫して頭が酸欠状態になるからです。
胸鎖乳突筋が固くなっておこる、似たような症状では、頭がふらつく、ボーっとする、モヤがかかっているなどの『感覚的なもの』がよく現れます。
総括
今回はケースの報告というよりも、知識提供のような記事になりましたね。
ただ、今回のケースに限らずこういうことって多いと思うんです。
私も治療家になる前、過去のムチウチで首が痛くなることって沢山ありましたが、まさにどの部分か表現できませんでした。
それを『ここ!』という風に明確にするのは、専門家としての役目だと思いますね。
まあまあ、普段からの勉強と裏打ちされた経験が大事になるということで。
なんだかスッキリしない、どことはいえない首のこりでお悩みの方へ
どこに行っても治らない原因を明確にする肩・首こり專門整体ページ
この記事を書いた人
【京都市のコバヤシ接骨院・鍼灸院院長】柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有者。ジオン療法セラピスト。総合格闘技道場GROUNDCOREのトレーナー、プロ柔術MATSURI、アマチュア格闘技イベントレグナムジャムのリングドクターも経験。スタッフのほとんどが京都人という、地域密着型治療院として健康を守っています。