12歳 女性 学生 京都市右京区
主訴 右手〜腕の痛み(腱鞘炎)
概要|5ヶ月前から右手首〜腕にかけて痛み
来院5ヶ月前から、右手首〜腕にかけて痛みを感じるようになった。常に続く痛みではなく、バレーボールをしていた時や太鼓を叩いていた時などに痛みを感じる。その痛みは一旦軽減されていたものの、来院3ヶ月前から再燃。整形外科を受診したが、レントゲンには異常所見は認められず経過観察となる。来院1週間前から、痛みの強さや痛む頻度が増したため来院となる。その際は、文字を書くときや消しゴムで消す程度の力でも痛みが強くでている状態であった。
検査|股関節の左変位が疑われる
臀部挙上のしやすさから、股関節の左変位が疑われる
肩外転 他動では力が抜けず ※自動運動で、可動域は正常を確認
上腕〜前腕〜手にかけて、圧痛はみとめられない
痛みを再現する動きも確認できず
肘および手関節のティネル徴候(−)
施術
初回
検査より、骨盤のゆがみによる腱鞘炎と判断。
回復力向上の目的で、下腿の筋膜の調整を行う。
体を触られるのが苦手で、とくに肩に力が入りやすい。
骨盤の歪み改善のため、右の中殿筋トレーニングを指導。
2回目(初回より7日後)
前回以降、週に1回のみ痛みを感じることはあったものの
毎日続いていた痛みが劇的に改善し、とってもお喜び
付き添いの母親も、原因が特定できたことにホッとしている様子
2回目ということもあり、施術に対しての不安が拭えたため筋膜調整を、前回は下腿のみのところ、本日は全身に行う。
さらに、整体まくらでの頸椎の調整を加える。
3回目(初回より21日後)
前回後、1週間全く痛みはなかった。
引き続き、筋膜の調整と整体まくらでの調整を行う。
立位で股関節の状態を再度確認。改めて、中殿筋のトレーニングを指導。
4回目(初回より28日後)
手〜上腕にかけての痛みは、一切戻らず経過良好。
前回と同様に、施術を行う。
痛みが消失した状態がしっかり確認できたことから、本回で施術を終了とする。
解説|なぜ、腱鞘炎の原因が骨盤にあったの?
なぜ、腱鞘炎の原因が骨盤にあったの?
身体の末端であっても骨盤のゆがみは影響するからです。
骨盤のゆがみ…という言葉はメジャーになって来ていて当治療院に来られるクライアントでも【身体が歪んでいる。】【骨盤が歪んでるのが原因だと思う】という発言が多く見られます。
しかし、手の末端部ともなるとその関連性はイメージしにくいと思います。
実は、背骨や骨盤のゆがみは身体の末端まで影響を及ぼします。
骨盤のゆがみと手
骨盤がゆがむと影響が出るのは、まず背骨です。
背骨に影響が出ると、今度は主に肩関節に影響が出ます。
イメージしやすくするなら、背筋を曲げた状態と伸ばした状態で肩の上がり具合をチェックしてみるといいです。
恐らく、前者では肩が上がりにくいと思います。
このような状態が長期間続くと肩の問題が腕〜手首に侵食していき、結果として腕全体に影響を及ぼしてしまいます。
今回のケースではまさにこのような状態が反映された結果と言えるでしょう。
総括
腱鞘炎は病院でも長期間の加療が必要になったり、固定して痛みが引くまで待つなどの消極的な加療が優先されます。
しかし、今回のようにしっかりと原因を特定すれば問題なく改善に導くことが出来ます。
なかなか治らない、疼くような腱鞘炎でお困りの方へ
この記事を書いた人
【京都市のコバヤシ接骨院・鍼灸院院長】柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有者。ジオン療法セラピスト。総合格闘技道場GROUNDCOREのトレーナー、プロ柔術MATSURI、アマチュア格闘技イベントレグナムジャムのリングドクターも経験。スタッフのほとんどが京都人という、地域密着型治療院として健康を守っています。