50歳 男性 デスクワーク 京都市下京区
主訴 右肩が上がらない
概要|右肩が急に痛んできた
以前から来院のあったクライアント。
「右肩が急に痛んできたから見て欲しい。」という問い合わせを受け来院に至る。
腕が上がらないことから、本人は五十肩ではないか?と考えている。
検査|外転時に左肩と比べ、挙上角度が20度ほど低下
右肩屈曲・外転時に左肩と比べ、挙上角度が20度ほど低下している。
右肩が左肩と比べ、前方に突き出していて体幹のネジレを認める。
施術
1回目
検査の結果、胸椎のネジレから来る「疑似五十肩」と判断。
本人を仰臥位に寝かせ、触れる程度の力で胸椎と胸郭を優しく矯正する。
その後、即座に肩関節可動域の正常化を認める。
当の本人は「あれ?なんで?」という風に驚いている。
生活上の指導をし、本日はここで施術を終了。
2回目(14日後)
仕事の都合で二週間経ってしまったが、確認のために来院してもらう。
肩関節の痛みなし、可動域正常化。
施術せずに終了とする。
解説|肩が上がらない=五十肩とはならないケースも
肩が上がらないことが五十肩とイコールにならないケースもある。
今回のように肩が上がらない=五十肩という風に認識している方はけっこう多い。
年齢的にもそれを疑ってしまうのかもしれない。
しかしながら、正しい着眼点をもち、検査を進めると、必ずしもそうでないケースは多分にあります。
五十肩は関節の癒着が起こり、関節を包む袋が縮んでしまう、筋力低下を認めます。
また、五十肩を発症するには必ず一定期間の変化が出てきます。
よって、最初の問診の時点でこのケースが五十肩ではないという判断はある程度ついていました。
今回の問題点|胸郭が潰れ、胸椎がネジレてしまっていた
肩が上がらなくなる症状にはいろんな原因がありますが、今回のケースは胸郭が潰れ、胸椎がネジレてしまっていたことです。
試してみてばわかると思いますが、座った状態で身体をどちらかに捻ると肩はとたんに上がりにくくなります。
このような状態が起こる時は、一番見直さないといけないのは「夜寝る姿勢」です。
夜寝る姿勢がどちらか一方を下にして寝る→「横向け寝」をしていると、下になっている肋骨は圧迫を受け、胸椎は知らないうちにネジレてしまいます。
このような状態が何日も続くと、肩関節に影響を及ぼします。
今回のクライアントも横向け寝が習慣化していました。
初回に行った生活指導とは、仰向けに寝ることです。
これを行うことで、肩の痛み・可動域の不良は二度と出ることはないでしょう。
腕が上がらないことでお悩みの方へ
この記事を書いた人
【京都市のコバヤシ接骨院・鍼灸院院長】柔道整復師、鍼灸師の国家資格保有者。ジオン療法セラピスト。総合格闘技道場GROUNDCOREのトレーナー、プロ柔術MATSURI、アマチュア格闘技イベントレグナムジャムのリングドクターも経験。スタッフのほとんどが京都人という、地域密着型治療院として健康を守っています。